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ここが変だよ!、変じゃない?スケート報道の記事などを集めていきたいと思います。
報道機関 | スポーツナビ |
見出し | 真央vs.ヨナ 女王の座を競う永遠のライバル対決=プレーバック五輪 第14回 |
配信日 | 2014年2月19日 13:00 |
http://sochi.sports.yahoo.co.jp/column/detail/201402050013-spnavi
◆内容◆
ソチ五輪の舞台でいよいよ浅田真央とキム・ヨナの日韓女王対決物語が最終章を迎える。
「永遠のライバル」と言われてきた2人は、1990年9月生まれの同い歳。恵まれた容姿とスタイルも似ていて、両親と姉がいる家族構成も同じ。浅田は日本で、キムは韓国で、いずれも「国民的アイドル」として大きな注目を浴び続けている境遇まで一緒だ。
そんな2人はシニアデビューを果たした15、16歳の頃からそのライバル関係をメディアで取り上げられ、常に追いかけられてきた。比較対象として否が応でも意識せざるを得ないライバルの存在を疎ましいと感じたときもあっただろう。それでも、浅田とキム・ヨナの2人がトリノ五輪後の女子フィギュアスケート界を席巻できたのは、世界を舞台に繰り広げたライバル同士の切磋琢磨(せっさたくま)があったからこそだ。どのスポーツでもライバルがいる選手は強くなれるし、長く輝き続けられる。まさに、この“方程式”が浅田とキム・ヨナのライバル対決にも見られたことは誰も異論を差し挟めないのではないか。
15歳で一足先にシニアの舞台に華々しく登場した浅田を追いかけるように、翌シーズンに16歳でシニアデビューを飾ったキム・ヨナ。ジュニア時代は代名詞のトリプルアクセルを跳ぶ浅田は敵なし状態で、キム・ヨナはその背中を必死に追いかけるしかなかった。だから一時期、浅田の武器であるトリプルアクセルを習得しようとハーネス(選手の腰に巻きつけたハーネスにロープをつなげて、滑車でコーチが引っ張りあげることでジャンプの感覚をつかむ道具)を使ってのジャンプ練習に励んだこともあった。結局はこの大技習得は断念したが、別のジャンプで武器を作ることに取り組み、高難度のトリプルルッツ+トリプルトーループの連続ジャンプを磨いてきたといういきさつがある。
前回のバンクーバー五輪では、金メダルを目標に掲げた2人が、お互いに刺激し合いながらタイトルを競い合い、五輪の舞台の幕が閉じるまで激しいライバル対決を繰り広げた。そして、バンクーバー五輪後もずっとリンクに立ち続け、さらに成長を遂げてきた浅田に対し、念願の五輪金メダリストに輝いたキムは2シーズンを休養しながらもその実力を維持して、浅田とともに再び五輪に向かう。「いいライバルがいたから成長できた」と浅田が言えば、キム・ヨナも「いいライバルがいなかったら今の私はいなかった」と振り返る。
トリプルアクセルを跳ぶ女子選手として記憶に残る浅田で終わるのか。それとも悲願である五輪の金メダルを手にして記憶と記録を刻めるのか。はたまた、キム・ヨナが五輪連覇を飾って歴史を刻むのか。このライバル物語はもうすぐ結末を迎えようとしている。(辛仁夏)
報道機関 | スポーツナビ |
見出し | 不安露呈の真央、原因はどこに? 精彩欠く転倒……個人へ立て直せるか |
配信日 | 2014年2月9日 8:13 |
http://m.sports.yahoo.co.jp/column/detail/201402090005-spnavi
◆内容◆
予想以上の緊張は「気持ちの問題」
「予想していたよりも緊張してしまって、演技がスタートするときも、自分の気持ちを通常のように持っていけないままスタートしてしまいました。原因は自分の気持ちの問題だと思います」
浅田真央(中京大)の表情は最後まで曇ったままだった。現地時間2月8日に行われたフィギュアスケート団体戦女子ショートプログラム(SP)。日本チームを代表して出場した浅田は64.07点で3位に終わった。獲得ポイントで日本は4位に入り、フリースケーティング(FS)に進出することが決まったものの、浅田自身はSPで今季最低の得点。個人戦での金メダルを目指す浅田にとって、不安が露呈する結果となってしまった。
6分間練習から何かおかしかった。トリプルアクセルの形を作りながらもジャンプが抜けてしまう。前日までの練習では3回連続で着氷させるなど好調を維持していただけに、なおさらその様子は際立った。案の定、冒頭のトリプルアクセルで転倒。その後は立て直し、無難に演技をまとめたものの点数は伸びなかった。
「トリプルアクセルは6分間練習で1度跳んだんですけど良いジャンプじゃなくて、自分の『これ』というジャンプが決まらないまま本番になってしまった。そういうところで自分の気持ちも乱れてしまったのかなと。本当に自分の気持ちが整理できないまま滑り始めてしまったので、練習の成果を出すことができませんでした」
直前に滑ったユリア・リプニツカヤ(ロシア)がほぼパーフェクトの演技で72.90点をマーク。会場は総立ちとなり「ユリア」コールがなかなか鳴りやまなかった。そうした状況でスタートしなければいけない不運はあったものの、「自分の気持ちを全くコントロールできなかった」と語ったように、五輪特有の雰囲気にのまれてしまった感は否めない。
自身の理想は封印、トリプルアクセルは計2回に
日本を旅立つ前、浅田は今大会に向けて重要な決断を下した。
「今年に入ってから、自分の気持ちとしてもいろいろと考えがあって。今回はSPとFSで1回ずつ跳ぼうと思っています。もう4年前のバンクーバー五輪でトリプルアクセル3回(SPで1回、フリーで2回)という目標は達成しました。(ソチでは)バンクーバー五輪でできなかった全種類の3回転ジャンプ、3回転+3回転を跳びたいです」
昨年11月のNHK杯後にSPとFSで計3回のトリプルアクセルに挑戦する決意を固めていたが、12月のGPファイナルと全日本選手権ではいずれも失敗。今季はまだ1度も成功していないだけに、勝負が懸かった五輪では2回にすることを決めた。トリプルアクセルを跳ぶことに並々ならぬ意欲を持つ浅田にしてみれば、断腸の思いだったことだろう。それでもあくまで勝利にこだわり、自身の理想は封印した。
「現時点ではトリプルアクセル2回は最高レベルではないし、(FSで)2回入れるより、1回でプログラムを作った方がバランスが良い。レベル、得点はそんなに変わるものではないと思っています」
体力的に負担がかかるトリプルアクセルを外し、全種類の3回転ジャンプと3回転+3回転を入れる方が基礎点が高くなる。バランスを重視した戦略で金メダルを狙いにいくつもりだった。しかしそんなFSにおける戦略もSPでつまずいてしまっては意味がない。
「これだけ練習してきてこういう演技になってしまったことについては、気持ち以外で『原因は何なのかな』という感じです。いまは試合が終わったばかりでよく分からないです」 演技後、浅田自身もまだ混乱しているようだった。
下降気味な調子とリプニツカヤの躍進
もちろん五輪の雰囲気に加えて、団体戦というプレッシャーはあっただろう。団体戦はSP終了時点で上位5カ国に入っていなければ、FSに進めない。女子SPは順番的に最後であるため、浅田の結果が日本チームの浮沈を左右することになった。男子、ペア、アイスダンスが終わった段階で、日本は16ポイントで6位。男子の羽生結弦(ANA)が1位となり10ポイントを獲得したものの、ペアの高橋成美&木原龍一組、アイスダンスのキャシー・リード&クリス・リード組(共に木下クラブ)が8位に終わり、3ポイントの獲得にとどまったことで、FS進出は浅田の双肩に託されることになった。
「団体戦は自分が失敗したらFSに進めないという気持ちはすごくありました。でもそういうことを考えるよりも、自分ができることをやれば大丈夫という思いもありました。団体戦は今回が初めてで、とりあえず自分の演技は良くなかった。でもFS進出につなげられただけ良かったなとは思います」
浅田はプレッシャーがあったことを認めつつ、団体戦でFSに進出できたことを喜んだ。自身の演技後に始まったペアのFSでは気持ちを切り替えて高橋と木原に声援を送っている。つねづね団体競技についての憧れを語っていた浅田にとって仲間とともに戦う喜びは感じていたはずだ。
気になるのは昨年12月のGPファイナルをピークとして徐々にスコアが下がっている点である。シーズン序盤は200点超えが当たり前だったのが、得点が出やすい全日本選手権で199.50点。この団体戦のSPは今季唯一の60点台と明らかに調子は下降線をたどっている。GPファイナルでは勝利したリプニツカヤが急速な成長を続け、1月の欧州選手権で浅田の自己ベストを上回る記録で優勝。この日の団体戦でも地元開催のプレッシャーに負けることなくトップの成績を残し、金メダル争いに名乗りを挙げていることも見逃せない。
最高の集大成を迎えるためにも
バンクーバー五輪ではトリプルアクセルを女子選手として史上初めて3回成功させたものの、FSでの単純なミスが響き、銀メダルに終わった。試合後には涙に暮れ、その悔しさを糧として4年間努力を積み重ねてきた。佐藤信夫コーチのもと、基礎からスケートを見直し、いまではトリプルアクセルに頼らない成熟したスケーターへと変貌を遂げている。
浅田はソチ五輪に向けた意気込みをこう語る。
「バンクーバー五輪ではつまらないミスを犯してしまいました。トリプルアクセル3回を成功させたことよりも、その悔しさが忘れられません。五輪での悔しさは五輪でしか晴らせない。忘れ物を取りにいくつもりで、ソチ五輪は戦いたいです」
4年前にしのぎを削ったキム・ヨナ(韓国)をはじめ、この日の演技で浅田の上を行ったリプニツカヤ、カロリーナ・コストナー(イタリア)ら強敵が今大会には集う。今季序盤は圧倒的な強さを誇っていた浅田だが、雲行きが怪しくなっているのは事実。
「(最終調整の場所である)アルメニアで調整し、今日いろいろ失敗した経験を生かして、個人戦では同じようなことがないようにしていかないといけないと思います」
いずれにせよ、立て直しが必要なのは間違いない。幸い女子の個人戦までには約2週間の猶予がある。「これだけ緊張したのはバンクーバー五輪以来」と振り返ったが、1度その雰囲気を味わったことで、経験豊富な浅田が同じ過ちを繰り返す可能性は低いはず。最高の集大成を迎えるためにも、このままでは終われない。(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)<了>