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2/4 “ポスト真央”が続々の熱い女子フィギュア中学生世代

(2015-02-04)

報道機関

THE PAGE

見出し

“ポスト真央”が続々の熱い女子フィギュア中学生世代

配信日

2015年 2月 4日 750

http://thepage.jp/detail/20150204-00000002-wordleafs?page=1

◆内容◆

長野市で行われていた全国中学校スケート大会女子フィギュアで、昨年12月の全日本選手権で3位に入り、“ポスト浅田真央”として旋風を巻き起こした東京・日本橋女学館中2年の樋口新葉が、総合17418点の高得点で見事初優勝を飾った。
 2位(16710点)は同じく昨年の全日本で6位と健闘した坂本花織(神戸市立渚中2年)。3位(16508点)は同9位の三原舞依(神戸市立飛松中3年)。3人はいずれも、全日本選手権一ケタ順位入りという実力をあらためて発揮した形だ。

 さらに今大会では、超高難度のコンビネーションジャンプを成功させたフリープログラムで樋口を上回る11406点を叩き出し、総合16321点で4位になった青木祐奈(神奈川県富岡中1年)が強烈なインパクトを残した。
 中学生の大会としては異例の36社、100人近い報道陣が詰め掛けた女子フィギュア。平昌五輪の代表争いにも名乗りを上げている女子中学生たちが熱い。

初優勝に輝いた樋口は、もはや貫禄勝ちとも言えるような演技だった。SP首位で迎えたフリーの演技。冒頭に入れる予定だった「3回転ルッツ+3回転トゥーループ」のコンビネーションジャンプが3回転ルッツ単独になってしまったが、その後の巻き返しが圧巻だった。

 滑りながら、演技後半のジャンプ構成を変えることを決断。「3回転ルッツ+3回転トゥーループ+2回転トゥーループ」という3連続コンビネーションジャンプに挑み、大成功させてみせた。これには指導する岡島功治コーチも「3回転+3回転にするとは思ったが、それに2回転までつけてしまうとは…」と思わず脱帽するほどだった。

 冒頭のコンビネーションジャンプが単独になってしまい、後半でリカバーするというのは、昨年12月の全日本のフリーでも経験済みだが、今回はさらに「+2回転」で基礎点が大幅をアップさせた。機転を利かせた滑りでミスの影響を最小限にとどめるどころか、ミスを補ってあまりある点を稼いだのだから心憎い。

「失敗しても焦らないようにということを1年間練習してきて、その成果が出たと思う。全中で優勝できて良かった。自分の気持ち的にも成長できた」。1月に14歳になったばかりの樋口が、淡々とした口調の中に喜びをにじませた。俄然注目を浴びるようになってからのプレッシャーは相当なものだろう。だが、それを乗り越えるメンタルの強さがある。

 一方で、中学生年代の戦いをさらにヒートアップさせたのは中1の青木だ。「ジュニア」の下である「ノービス」の今季全日本チャンピオン。まだ幼さの残る顔立ちながら、ジャンプは高くしなやかで、勢いもあり、文字通りの「武器」。

 とりわけ凄いのが、フリーの冒頭に組み込んでいる「3回転ルッツ+3回転ループ」という超高難度のコンビネーションジャンプだ。世界でもソチ五輪金メダリストのアデリナ・ソトニコワ(ロシア)と青木の2人しか取り入れていないという高難度ジャンプ。元々「ループジャンプが得意だった」という青木は、かつて羽生結弦を指導していた都築章一郎コーチの勧めでこの組み合わせにトライしてみると、さほど時間をかけずに習得に成功。今回は完璧な出来映えだった。

「あこがれは荒川(静香)さん。ジャンプのお手本にしているのは羽生さん。今は表現力を磨くために、バレエにも週2回、通っている」と、実に意欲的な青木。SPでの失敗がなければ樋口をも脅かすような高得点を出していたかもしれない。樋口は「中学生にも上手な選手がもっといるから、浮かれていないでしっかりやらないといけない」と気を引き締めている。

日本の女子シングルは今季、浅田真央が休養中で鈴木明子らが引退。GPファイナルには補欠からの繰り上げで本郷理華が出るにとどまり、その本郷も6位と厳しい結果に終わった。3月に中国で開催される世界選手権には宮原知子、本郷、村上佳菜子の3人が出るが、2016年の出場枠3を確保するのは決して容易ではない。こういった状況において、中学生年代の熱い戦いは大いに歓迎すべきこと。しかも、ダイヤモンドの原石というレベルを超えた選手が目白押しであるのは頼もしい限りだ。

 今回の全中には昨年11月の全日本ジュニアで4位と大躍進した中1の本田真凜(まりん、大阪・関大中)も出場していたが、SPの冒頭のコンビネーションジャンプの失敗が響いてSP20位となり、上位18人で争うフリーに進むことができなかった。本田ほどの能力の持ち主でも、ミスが重なればフリーに進めないという事実は、女子のこの年代の選手層がいかに厚いかを示している。

 日本スケート連盟の小林芳子強化部長は昨年末の全日本選手権を終えたとき、女子の苦戦に伴う向こう数年間の展望について聞かれ、「来年はジュニアとノービスの勢いのある子が上がってくる。目標は2018年の平昌五輪でトップになること。選手をしっかりとそこに送り込めるように、連盟・強化部とコーチが連係をとって良い形で選手をサポートしたい」と話していた。

 今回の全中はいわばそのコメント通りの流れ。若い彼女らが燃やす炎は、日本女子フィギュア界の未来を明るく照らしていく。
(
文責・矢内由美子/スポーツライター)

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