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10/10 【フィギュア】ルール変更が選手たちに及ぼす影響は?

(2014-10-10)

報道機関

Sportiva

見出し

【フィギュア】ルール変更が選手たちに及ぼす影響は?

発行日

20141010

http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/2014/10/10/post_400/index.php

◆内容◆ 辛仁夏●文 text by Synn Yinha

国際スケート連盟(ISU)は今年2月のソチ五輪後、フィギュアスケートのルール変更を行なった。毎年、少しずつ改正されているルールだが、オリンピックが終わった後には大きいルール変更が行なわれる。4年前はジャンプの回転不足による減点が緩和されて、4回転に挑戦する選手が増加。男子フィギュアに高度なジャンプ時代の到来をもたらした。

 今回は、特にジャンプにおけるルールでより高度な要求が課されており、特に女子の戦いに影響を及ぼす可能性がありそうだ。国際審判員であり、前強化部長の吉岡伸彦氏に、今シーズンのルール変更の主な項目をいくつか挙げてもらった。

(1)「1つのプログラムの中で、2回転ジャンプは、ジャンプ1種類について2回までしか認められなくなりました」(吉岡氏)

 2アクセルも2トーループも2度しか跳べなくなった。よって3回転ジャンプを失敗(パンク)したときの判断をしっかりと見極めないとジャンプの得点をきちんと得ることができない可能性が高い。

 また、ショートプログラム(SP)でジャンプが規定の回転数に足りない場合は無得点に。さらにSP、フリーともに1回転半未満のジャンプも無得点になる。この変更により、ジャンプミスが勝負において致命傷になるリスクが増したと言えるだろう。

(2)「ジャンプのエッジエラーの判定が厳格化されました」(吉岡氏)

 アテンションマーク「!」(軽度のエラー)が再導入されることになり、従来からあるエッジエラーマーク「e」(重度のエラー)については厳格化されて減点幅が広がった。

「!」よりも明らかな踏み切り違反と見なされる「e」がついた場合、昨シーズンまではGOE(出来栄え点)だけの減点だったが、今シーズンからは基礎点が70%に減らされることになった。より踏み切りのエッジが厳密に判定されることで、フリップとルッツのエッジエラーを取られる選手が続出するかもしれない。「フリップジャンプはクリアなインサイドエッジでないと認められない」(吉岡氏)という具合だ。

 例えば、3回転ルッツで踏み切り違反と判定された場合、昨シーズンは「6.0」だった基礎点が今シーズンは「4.2」に減らされる。踏み切り違反に回転不足が重なった場合は基礎点を半分(50%減)にする新基準も採用された。

 このルール変更にともない、今シーズンは勝負の行方がエッジエラーで大きく左右される場面も出てきそうだ。昨シーズンまでの日本勢では、男子の羽生結弦や無良崇人がフリップ、女子の浅田真央や村上佳菜子がルッツで踏み切り違反を取られた大会があった。

 ジャンプ以外で、観戦するうえで大きな変化が感じられるかもしれないのが、プログラムを演じる上でもっとも重要な音楽だ。

(3)アイスダンスでは一足先に導入されていたボーカル音楽が、今シーズンから男女シングルでもOKになった。これは2012年6月のISU総会で決まっていた既定路線のルール変更なので、選手たちも準備はできているはず。ただし観客から見て競技会がより面白くなるか、エキシビションの延長のように映るのかなどは、反応を見てみないと未知数だ。

 吉岡氏は「歌詞そのものに意味を持たせてそれを表現しようとすると難しいかもしれません。イメージが固定されてしまうこともあると思いますから。さらに英語の歌詞をすべてのジャッジが正しく理解できるか、または観客が受け入れて乗ってくれるかという観点で言えば、かなりリスクがあるかもしれません。どの程度の選手が使ってくるかは分からないが、多くはないと思います」と語る。

 そのほかには、(4)名前をコールされてから演技をスタートしなければいけない時間がこれまでの1分以内から30秒以内に短縮された。30秒以上1分以内になった場合は1点減点され、1分以上はこれまで通り棄権と見なされる。この競技開始時間短縮は、「テレビ中継のため」「円滑な競技進行のため」というのが大きな理由のようだ。

 これまで呼ばれてすぐに演技を始めた選手にとっては問題がないが、町田のように1分ぎりぎりまでかけて集中していた選手にとっては、ルーティンを変えなければならず、気持ちの切り替えをスムーズにしなければいけないという意味で影響を受けるかもしれない。

 また、(5)フリープログラムでは「ステップシークエンス」(※1)と「コレオシークエンス」(※2)は必ず「ステップ」のほうが先でなければいけなかったが、今シーズンからは「コレオ」が先でも構わなくなった。これによって自由度が増し、プログラムに変化が付けられるようになる。

※1 ステップやターンの組み合わせを続けて行なう一連の動き
※2 ステップ、ターン、スパイラルなどあらゆる種類の動きを取り入れた自由な演技のパート

 そして最後は、(6)スピンのレベルの取り方に変更が施された。吉岡氏によれば「より正確にスピンをさせ、スピンがしっかりできない選手にペナルティを与えるような内容」になったという。

 吉岡氏は今回のルール変更について、「失敗したときやきちんとした技術ができていないときにペナルティが課されるようになった。中堅どころの選手で技術的に不安定な選手には少し厳しいルールになったかもしれない。ただし現在のトップスケーターたちには、それほど大きな影響はないのではないか」と語る。基本となる技術がより重視される4年間になりそうだ。

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ジャパンオープンに出場した村上佳菜子

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